住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンよりも低金利のローンを新たに借りて、元のローンを一括返済することです。
一昨年(2006年)は、量的緩和が解除され、続いて景気回復を促す目的で導入されたゼロ金利政策も解除されました。量的緩和政策とは、マネーサプライ(通貨供給量)を増やすために日本銀行が、金融市場に大量に資金供給を行う異例の金融緩和政策です。バブル崩壊後、短期金利を0%に抑えるためのゼロ金利政策に追加されるかたちで、5年前に金融緩和を目的に導入されました。2002年2月に始まった景気拡大期間がいざなぎ景気を超えたことで緩和措置が解除されたわけですが、その実感は全くといってありません。それよりも今後の金利上昇の危惧感のほうが大きいです。
私たちの生活に及ぼす影響としては、預金金利の引き上げが期待できるものの、その半面で住宅ローンなどの金利も上昇して家計を圧迫してくるのは必至です。たとえば、金利が1%アップするだけで、3000万円、30年ローンの場合、約420万円も返済が増えてくる計算です。住宅ローンを組んだ当初と、現在とでは身の回りの状況や環境が変わってしまい、思うようにやりくりができなくなったという事は、珍しくありません。やはり、物件をご購入し、住宅ローンを組んだ上で、更に教育費となれば、なかなか家計のヤリクリは厳しいところです。そんな状況の中、金利上昇のリスクを回避する方法はあるのでしょうか。また、これから住宅ローンはどうなっていくのでしょう。
金利上昇のリスクに対処する方法として住宅ローンを改めて組みなおす「借り換え」は有効な手段です。
金利はどのように決まるのかというと、固定期間選択型や長期固定型は長期金利に左右されやすく、変動金利型は市場の短期金利を調整(コントロール)している日本銀行の金融政策によって上下することが多いのが特徴です。長期金利はすでに上がり、固定期間選択型に波及しています。特に対策として急がれるのは、金利が上がり始めた固定期間選択型と、近い将来に、上がる可能性がある変動金利型の住宅ローンを借りている人たちで、現在、貸し出されている住宅ローンの8割は固定期間選択型と変動金利型が占めています。
そんな時にこそ、住宅ローンの借り換えがあります。住宅ローンの借り換えとは、別の住宅ローンを新しく借り入れることで、現在返済中の住宅ローンを一括返済するということです。より低金利のものに借り換えれば、予算の削減が期待できます。 借り換えのパターンには大きく以下の2つのパターンに分けることができ、@住宅金融公庫や年金などの公的融資を銀行などの民間住宅ローンに、または、A現在取引中の銀行から他の銀行へ換えるパターンがあります。以前は物件の担保評価がローン残高より低いと借り換えられなかったが、最近は、担保割れが1000万円までなどと一定の範囲以内であれば借り換えが可能な銀行も増えてきています。
住宅ローンなどの金利は、@固定金利型:借入申込時又は契約時に全返済期間の適用金利が決まるタイプ。A変動金利型: 市場金利の変動に伴い、返済途中でも定期的に金利が変動するタイプ。B固定金利期間選択型:「当初5年間は金利○○%」といったように、返済期間中の一定期間は金利が固定されるタイプ。固定金利期間終了後は、終了時点の変動金利型又は、再選択した固定金利型(期間選択型を含む。)となる。の3つのタイプに分けられます。
ここで、住宅ローンを借り換える時の、注意点を挙げてみます。 新しくローンを組むことになるので、現在のローンを組んだときと同じように諸費用がかかります。借り入れをする金融機関によって異なりますが、主な内訳は保証料、事務取扱い手数料、司法書士への報酬、火災保険料や団体生命保険料などです。おおよその目安は、総額で60万〜80万円程度と考えればいいでしょう。ただし、保証料無料のローンの場合は、総額で30万円程度になります。
借り換えが得策かどうかの目安としては、1)ローンの残高が1,000万円以上 2)借り換え前後のローンの金利差が1%以上 3)返済の残りの期間が10年以上の3条件をクリアしていれば、ほとんどのケースで借り換えが得になります。また、住宅ローンの借り換え先は、民間金融機関のみとなります。住宅金融公庫や年金などの公的融資、フラット35への借り換えは残念ながらできません。公的ローン、またはフラット35から民間金融機関に借り換えると、再び公的ローン・フラット35へ借り換えることはできませんので、注意が必要です。
借り換え前のローンにおいて、保証料を一括前払い方式で支払っている場合は、借り換え時に支払った保証料が返戻されてくることもあります。これに関しては、金額が大きいこともあるので、ちょっと頭に入れておいてください(上記の諸費用50万円には保証料の返戻分は含まれません)。また、借り換えた後においても、繰上返済手数料、条件変更手数料、金利切替手数料、証明書発行手数料などが必要になる場合があります。その中でも、資金的に余裕ができたときに行う繰上げ返済では、借り入れをした金融機関によって、繰上返済手数料が「かかる」ところと「かからない」ところがあるので注意が必要です。
このように、住宅ローン借り換えの際にかかる費用は借入先によって違うので、住宅ローン借り換えの比較は、借り換え当初にかかる費用と総返済額を合計して考えなければいけません。借り換えの目的をはっきりさせて、現状のままの場合と、借り換えた場合を実際にシュミレーションして計算してみることも大切です。